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2019/5/30

口腔ケアで健康寿命延ばそう 

6月4〜10日は歯と口の健康週間


▲東広島市歯科医師会と東広島地区医師会が協力して作ったポスターを持つ加藤医師

 口腔こうくうケアで高齢者の誤嚥ごえん性肺炎を減らそうと東広島市歯科医師会は、東広島地区医師会と連携し啓発活動に取り組んでいる。高齢者の健康と口腔ケアの関係について、両医師会の医師に話を伺った。

全身疾患に関係

 口腔ケアは、口の中の環境を整えることで、全身の健康を維持・増進し、生活の質を高めることが目的。具体的には、定期的な歯科検診、歯ブラシなどによる口腔清掃、かんだり飲み込んだりする機能のリハビリ、歯肉のマッサージなどがある。

 虫歯や歯周病はさまざまな全身疾患に関係しており、積極的な口腔ケアで疾患を予防・改善できることが近年、分かってきた。関係する疾患は敗血症、感染性心内膜炎、糖尿病や動脈硬化などで、中でも誤嚥性肺炎は、高齢者の死亡原因の上位で、注意が必要。

飲み込む機能が低下

 誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管に入り、肺に細菌が入り込むことで起こる。「加齢によって免疫力が落ちている高齢者は、誤嚥で容易に肺炎を発症する。重症化すると死に至る場合もあり、内科でも、高齢者へ口腔ケアを呼び掛けている」と、なんぶ内科(高屋町小谷)の楠部滋医師。

 誤嚥する原因に、飲み込む(嚥下えんげ)機能の低下がある。「むせやすくなった、食べこぼしが多くなった、うまく飲み込めないなどの症状がある場合は、嚥下機能の低下が考えられる。嚥下機能の低下は、本人の自覚は少なく気が付きにくい。周囲の人が気付いてあげてほしい」とかとう歯科クリニック(黒瀬町楢原)の加藤寛医師。

 また、誤嚥したとき、口内に細菌が多くあると肺炎を発症する可能性が高い。歯間ブラシなどの補助器具を使ったり、入れ歯を小まめに手入れするなどして、口腔内を清潔に保ち、細菌を減らしておくことが、誤嚥性肺炎の予防につながる。

生活の質に影響

 咀嚼そしゃくや嚥下をはじめ、発音、唾液の分泌などの口腔機能は、食べることや話すことに深く関係している。おいしく食べることや、人とのコミュニケーションに欠かせないもので、生活の質を高めると同時に、健康寿命の延伸にもつながる。

 「歯を残すことへの取り組みに比べ、口腔機能の低下防止への関心はまだ低い。機能の低下にいち早く気付き、対応をすれば健康な状態に近づけることができる。口腔機能についても、歯科で相談してみてください」と加藤医師は呼び掛ける。

■口腔機能をセルフチェック

 いずれかに当てはまる場合は口腔機能低下の可能性が高く、注意が必要。歯科、内科で相談を。

□ 固いものが食べにくい
□ お茶や汁物などでむせることがある
□ 口が渇きやすい
□ 薬が飲み込みにくい
□ 話すときに舌がひっかかる
□ 口臭が気になる
□ 食事にかかる時間が長くなった
□ 薄味が分かりにくくなった
□ 食べこぼしがある
□ 食後に口の中に食べ物が残りやすい
□ 左右の奥歯をしっかりとかみしめられない

厚労省「介護予防マニュアル」より


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