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2019/2/7

「知らなかった」がその火種 引っ越しトラブル

東広島の専門家に聞く

 新年度へ向け引っ越しを予定している人は、新居選びや転入・転出手続きの準備などを始める時期。スムーズに入退居したいところだが、賃貸物件に関する契約や引っ越しサービスにまつわるトラブルが全国で発生している。中には「知らなかった」ことが火種になるケースも。東広島の専門家に事例と注意点を聞いた。(橋本礼子、日川剛伸)

掃除したのに、修理したのに…

退去後の請求にびっくり!

 退居時のトラブルで多いのが、賃貸のアパートやマンションを退去後、原状回復費として納得いかない額の請求が送られてきた、というケース。

 原状回復費は、ハウスクリーニングや必要によってはクロス張り替えなどの修繕に充てる費用で、敷金から差し引かれることが多い。


アミックス
田村亮太郎さん

 アミックスの田村亮太郎さんは、管理会社や物件によって契約が異なることを前置きした上で、「原状回復費が敷金を上回ることは珍しくない。ただ、中には『敷金は必ず返ってくるもの』と認識している人もおり、請求書を受け取って驚くケースもある」という。

 少しでも敷金を返してもらおうと、退居前に自分で大掃除をしたり、壊してしまった箇所を取り繕うような修繕をしたりしても、結局は管理会社から専門業者に依頼することもある。このため、「ここまで自分で原状に近づけたから、敷金は戻ってくる」「原状回復費を請求されることはない」と思い込まない方が良いようだ。

見た目はきれいでも…
 たばこのヤニ汚れによる修繕費は、清掃で除去できないほど汚れている場合、借り主の負担となる。見た目の汚れだけでなく、においが取れない場合も借り主負担となるケースがある。

ポイント

 退居時にはできる限り管理会社などの立ち合いで部屋の現状を確認し、示された原状回復費用の内訳について十分に説明を求めよう。全日本不動産協会のホームページには、原状回復の借り主、貸し主負担などが詳しく掲載されている。トラブル回避に役立てたい。


もっと「知る」
全日本不動産協会

荷物が破損したのに…

補償額が少ない! 補償の対象外!

東広島市消費
生活センター
倉田誠さん

 東広島市消費生活センターが受けた引っ越しサービスに関する相談で多いのが、「業者の不手際で荷物に傷が付いた」というケース。共通しているのが、引っ越し業者からもある程度の補償額を示している が、それに納得できない、ということ。

 「補償は、新品への買い替えではなく、基本的にはその部分の修理≠ノかかる費用となる。また、破損の申し出は引っ越し後3カ月以内。すぐに段ボールを開け、チェックを」と同センター。

ポイント

 東広島市消費生活センターは「見積もりの際は、ネットや電話だけでなく荷物の量をしっかり業者に見てもらうこと。この時、自転車を忘れがちなので注意。当日、追加料金が必要になることがある」と呼び掛けている。また、国民生活センターには、「キャンセル時の段ボール返送料」などの相談が寄せられている。同センターのホームページでは、これらの問題点や対策などを公開している。


もっと「知る」
国民生活センター

かからないと思っていたのに…

前々日でキャンセル料を取られた!

 国交省の標準引越運送約款が改正され、業者との引越契約を解約・延期する際、手数料の上限が高くなった。


弁護士法人
あすか弁護士
谷脇裕子さん

 解約・延期手数料は引っ越しの前々日で見積運賃・料金の20%以内(従来はなし)、前日で同30%以内(従来は10%以内)、当日で同50%以内(従来は20%以内)。改正は、ドライバーや作業員の不足などに対応するため。弁護士法人あすか東広島事務所の谷脇裕子弁護士は「キャンセルでトラブルにならないよう早めの対策を」と注意を呼び掛ける。

ポイント

 トラックを使用して行う家庭の引っ越しには、国交省の標準引越運送約款もしくは国交大臣の認可を受けた業者独自の約款が適用される。約款には、見積りや運賃、荷物の受け取り、責任など引越に関わる決め事が細かに明記されている。業者には、見積書を作成する際には、顧客に約款を提示する義務がある。

 谷脇弁護士は「約款には原則として拘束力があります。トラブルを防ぐためにも、業者には必ず約款の提示を求めましょう」と話している。


もっと「知る」
日本トラック協会

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