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2019/1/17

新生・伯和ビクトリーズ 若返り、捕手も強化!!

伝説の記者 コマさんが取材!


▲練習に使用するアクアスタジアム。拠点の東広島市内にある室内と屋外の練習場所で力を付けている

 東広島が拠点地の社会人野球の名門「伯和ビクトリーズ」が、都市対抗、日本選手権の2大大会出場へ向け、2019年をスタートした。今年は地域に密着し、親しまれ、愛され、より一層応援されるクラブチームを目指す。監督が交代し、新生ビクトリーズ≠ニしての練習現場に潜入し、取材した。

 これまでチームの歴史を築いてきた東賢孝前監督(総監督に就任)から内山孝起新監督にバトンタッチ。選手、コーチとして11年間、33歳の青年監督は「若返ったチームを結束させ、これまでの東監督の全員野球を継承していく」と強い決意で臨む。選手の平均年齢も22歳と若返った。

 昨年夏の都市対抗野球では、中国地方代表として通算8回目の全国出場を果たしたが、1回戦(対東京都〈鷺宮〉)で惜退。「昨年の都市対抗出場の経験を生かし、若いチームなだけに、慢心にならないように気を引き締めたい」と國島一平主将(27)は強く言い切った。

 練習が始まったのは夕方6時。勤務を終えた選手がジャージ姿で専用の屋内練習場に現れた。冬季期間の1月末までは室内で、2月からは本格的に昼間の練習に変わっていく。

 一番のウイークポイントだった捕手難も京都学園大の橋本昂稀、元カープの住吉大輔(旧姓多田)が入部。内山監督は「即戦力の捕手を獲得してもらったことで、バッテリー間がより充実しています」と期待を膨らます。

 まず新監督が手掛ける「投手を中心として1点ずつを積み重ねる守りの野球」には、エースの2年目平岡航投手(23)の先発、完投の安定感が不可欠。写真撮影のため、ユニホームに着替えてブルペンに立ってもらう。投げ込むほどに熱がこもって約30球。昨年の試合では細身の体からしなやかな左腕がマックス145キロのストレートにスライダー、カットボール、カーブと多彩な変化球を投げ分けた。だがコントロールに課題を残した。「腕をしっかり振って下半身中心のフォームを固め、この冬場はウエートと走り込みに重点を置き、チームから信頼される投球をすることだ」と平岡は体力、体幹を鍛えながらフォーム完成に向け、練習に汗を流している。

 投手陣には、同じ左の平川太一(21)、右の花井紋太(22)、八塚凌二(19)、田村凌太郎(24)らに新人が加わる。打線は、中軸に國島、藤澤直樹(25)、泉祐介(24)、中西玲人(23)ら他の野手陣が「あくまでも競争心をあおる中でレギュラーの位置が決まる」(内山監督)と構想はグラウンドでの個々の力を見極めた上で決まる。

 県内の社会人野球クラブは昨年の日本選手権で準優勝のJFE西日本、JR、三菱、常石らと実績のあるチームがひしめく。厳しい戦いは覚悟の上で、内山監督は「チームが一丸となり、若さあふれるプレーで一戦一戦を勝ち抜きたい」と締めくくった。


 屋内での練習の様子。内山新監督のもと、アップからキャッチボール、ゴロ捕球、軽めの打撃練習と続く。全員が輪になり、「ウォー、ウォー」と腹の底から大声を出し切る。内山監督が掲げた「全員野球」の一環として、闘志を沸き上がらすのだ。

  • ▲東広島市八本松西の伯和本社敷地内にある屋内練習場

  • ▲3年目の谷名優汰外野手。「レギュラーを勝ち取り、飛躍の年にしたい」と意気込む

  • ▲真剣ながらも楽しそうにウオーミングアップする選手たちが印象的

  • ▲声を張り、盛り上げながらの守備練習

  • ▲エースで左腕の平岡投手。マックス145キロのストレートが武器

  • ▲室内練習場にはトレーニングルームを完備

  • ▲駒沢記者(左)のインタビューに答えながらも選手から目を離さない内山新監督

  • ▲新人の住吉捕手。元カープで、即戦力として期待大

  • ▲ラケットを使った守備練習


今季9人の新人選手

・滝田承太郎(投手)=日本体育大学柏高
・園田龍矢(投手)=関メディベースボール学院
・河野太壱(投手)=関西国際大
・田中心平(投手・内野手)=大阪商業大堺高
・山上幸大(外野手)=京都学園大
・上田大輝(捕手・内野手)=岩見智翠館高
・上甲凌大(捕手)=宇和島東高
・住吉大輔(捕手)=カープ→バンディッツ・ベースボールクラブ(富山市)
・橋本昂稀(捕手)=京都学園大

TEAM DATA

●主な戦績
・都市対抗野球大会=出場8回、2012年に8強
・社会人野球日本選手権大会=出場6回、2015年に4強

●主な出身プロ野球選手
・七條祐樹(投手)=2010年ドラフト2位でヤクルトに入団
・中元勇作(投手)=2014年ドラフト5位でヤクルトに入団

コマさんの目

 今季のキャッチフレーズは「束」。チームの全員が束になって戦う意図が込められている。チームは、比較的年齢の高い6選手に入れ代わって、新人選手9人が入部し、フレッシュなチームになった。「若い選手ばかりなので伸びしろがあります」と内山監督は育成と同時に、競争を求めながら「チームワーク」で勝つ野球も植え付けていく。
 東広島市は昨年7月の豪雨災害で甚大な被害を受けた。一部ではまだその爪痕が生々しく残る。伯和チームナインには、地元に元気を与えるためにも地域に密着したチームづくりもしてもらいたい。同時に市民には応援の輪を広げていってほしい。

文 駒沢 悟
プロフィル こまざわ・さとる 1942年、広島県生まれ。報知新聞入社後、半世紀にわたり野球記者一筋。現在、関西記者クラブ会友、プロ野球殿堂入り投票者、スポーツライター。


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