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2018/11/1

のんバス1年、評価は上々 

料金改定や増便求める声もー 路線バスとの兼ね合い課題

 西条の中心市街地を循環する路線バス(愛称・のんバス)の運行が始まって1年が過ぎた。車体には、市公認マスコットキャラクター「のん太」のラッピングと全面に淡いピンク色を施し、市民に定着した感がある。のんバスの1年を分析、これからを探った。(日川剛伸)

んバスは、1周10・2キロで外回り便と内回り便がある。それぞれ1時間に2便ずつ、一日に24便ずつ走っている。西条駅の始発便が午前8時、最終便は午後7時45分。料金は大人200円、小学生以下100円。1日乗り放題の500円券もあり、市街地を巡りたいときには便利だ。

 市政策推進課によると、昨年10月1日から今年9月末までののんバス利用者は一便平均9・3人(一日平均は約440人)。目標としていた12・9人には、少し及ばなかったが、市政策推進課では「時間帯や、平日・休日に関係なく、まんべんなく利用があり、まずまず」と分析する。

 市が利用者を対象に行ったアンケート調査でも、約8割が「満足」「やや満足」と回答。弊社の取材でも好意的な声が多かった。一方で、料金の改善やバス停の増設、休日の渋滞解消、増便などを求める指摘もあり、利用者からは「乗車区間が短いと、路線バスの初乗り運賃より高くなり、「割高感がある」「増便されると、もっと便利になる」といった声が上がっていた。

 ちなみに、福山市の中心市街地循環バス「まわローズ」の料金は、路線バスの初乗り運賃と同じ150円の定額だ。運行区間をおおむね路線バスの初乗り運賃で運行している区間と同じように定めているためだ。

 のんバスを運行するバス会社では「のんバスの魅力を発信することが、他の路線バスの利用を促すきっかけになれば」としながら、「のんバスの起終点はJR西条駅。観光客の足という観点からもアプローチできれば、もっと利用者を呼び込める」と提言する。

 市では、「料金や増便などは、バス会社の路線バスとの収支バランスを考慮しなければならない」と前置きした上で、「利用者の思いはしっかりと受け止め、バス事業者、市民が互いにウィンウィンの関係になるよう努めたい」と力を込める。

のんバスアラカルト
11月にキャンペーン

詳しくは↑

 1周年を記念して、11月に使った一日乗車券をはがきに貼って応募すると、抽選で協力店舗の商品が当たるキャンペーンも行う。

のん太のイメージから

 循環バスの愛称は公募で決まり、のん太のかわいらしく親しみやすいイメージから、「気軽に楽しく利用できるように」という思いが込められている。

市街地に22カ所のバス停

 市民の日常生活の移動を支えるのと、市街地への来街者を増やし、市街地へのにぎわいを創出することが目的。芸陽バスと中国ジェイアールバスの2社が運行、JR西条駅を起終点に商業施設前や公共施設前などのバス停22カ所を回る。

特典協力店 ただ今96店舗

詳しくは↑

 のんバスの乗車証明書を提示すれば、沿線店舗の特典が受けられる。協力店舗は現在96店舗。


記者の目
路線バスとのすみ分けを

 のんバスは、気軽にバスを利用できる環境をつくり、市民の足としてのバス利用を促進していくことが目的の一つ。利用状況を見る限りは、まずまずの船出といえるだろう。ただ、市が目標としている12.9人には及ばない。現状の維持では市の財政負担は増すばかりだ

 のんバスは路線バスを補完する機能も持つ。利用者の要望する安易な料金改定や増便は、路線バスの収益を脅かしかねない。難しさは残るが、ルートや運行形態を改善するなど、うまくすみ分けを図りたい。市北部地域では、高齢化率が4割を超える。のんバスの取り組みを、公共交通が先細る北部地域で、高齢者の交通手段となる地域交通再生のヒントにしたい。


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