待機児童が減らない 東広島の現実

大半は3歳未満児

 「保育園落ちた」という匿名ブログを発端に、保育所の入所待ちをする「待機児童」の問題が全国的に大きくクローズアップされるようになった。東広島市でも、近年、多くの児童が入所できない状態が続いている。待機児童が生じる背景にフォーカスしながら、待機児童解消に何が求められるのか、まとめた。(日川剛伸)


▲働く母親の増加で3歳未満児の待機児童が増えている。(写真と本文は関係ありません)

 表1は平成25年度(2013)から29年度(2017)までの、東広島の待機児童数の状況だ。受け皿となる民間の施設整備の推進で、市内の定員数は増えているにもかかわらず(表2参照)、西条や八本松などの中心部を中心に、待機児童が解消されていない状況だ。

ワンポイント解説

 待機児童は西条や八本松などの市中心部が中心だ。施設と定員は少しずつ増えているが、中心部では保育需要の拡大に施設整備が追いついていないのが実情。

 一方で市北部地域の保育施設では、少子化の進展で定員が保育需要を上回る、定員割れの状態が続く。入所調整を行えば、ある程度は待機児童数を抑えたりすることは可能だが…。

保育士不足が要因

 その大きな要因の一つは、保育士不足だ。市こども未来部によると、中心部の待機児童の大半は3歳未満児。29年度6月1日時点での待機児童119人のうち、3歳未満児は100人に上る、という。幼い子どもはきめ細かな対応が欠かせないため、国は、保育士1人が保育できる子どもの人数を「0歳児は3人まで」「1、2歳児は6人まで」と決めており、必要な保育士が確保されにくくなっているのだ。さらに、中心部では、保育需要の拡大に施設の整備が追い付いていない状況も、待機児童が解消されない要因になっている。

待遇改善が不可欠

 保育士の確保には給与水準の引き上げは不可欠。政府は、今年度から保育士の賃金を月平均6000円引き上げ、キャリアに応じて加算する仕組みを導入したが、それでも他産業との格差は大きい。待遇が良くないことから、保育士の資格があるのに働いていない「潜在保育士」は、市内でも相当数に上ると見られている。

 こうしたことから、市では保育士の就職相談会を行ったり、保育士を採用した民間の施設には、職務奨励費を支給したり、と独自の施策を行い、保育士の掘り起こしを図ってきたが、「入所申し込み者を今年並みで試算すると、来春も最大で70人の保育士が新たに必要になる」(市こども未来部)のが現実だ。

 中心部で3歳未満児の受け皿を増やすには、3〜5歳児向けの幼稚園を、保育も行う認定こども園に移行したり、空き店舗などでも開設できる、2歳までを預かる小規模保育所を増やしたりすることも有効な手段の一つだろう(これまでにも、これらの対策で一定の成果を上げてきた)。

 ただ、一般的には、私学の幼稚園では「建学の精神」から、保育に二の足を踏む場合があり、小規模施設では、3歳以降の受け入れ施設を見つける必要がある。

 「子育てするなら東広島」を掲げる市にとっては、待機児童の解消は喫緊の課題だ。市中心部では、若い世代の人口増加に伴い、未就学児童は増加傾向で、市中心部の住宅開発の勢いを考えると、今後も保育需要が増えることが予想される。

 市は、政府の目標に呼応するように、「20年度末までの待機児童解消を目標に、常に待機ゼロを目指す意識をもって取り組みたい」と話している。抜本的な対策が急がれる。

ザ・ウィークリー・プレスネット 2017/7/6

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